はじめに
「ミスをしたら、全ての信頼を失った気がする」
「上司の機嫌が悪そう。きっと自分が何か怒らせたんだ」
仕事をしていると、こうした不安や落ち込みに襲われることがあります。しかし、それはあなたの能力不足ではなく、「認知の歪み」という思考のクセが原因かもしれません。
就労継続支援B型事業所「アイデンド」では、利用者の皆さんが安定して長く働き続けるために、職業準備スキルの一つとして「自分の考え方のクセに気づき、整える」トレーニング(CBT的アプローチ)を取り入れています。
この記事では、代表的な思考のクセのパターンと、事業所での訓練を通じてどのように「働きやすい心」を作っていくのかをご紹介します。
相談の場では、「考え方を変えましょう」と言われるほど苦しくなる方もいます。大切なのは無理に前向きになることではなく、しんどい時に極端な結論へ飛ばないための手すりを増やしていくことです。
- この記事でわかること:
- 職業生活を邪魔する「認知の歪み」の正体
- 思考を客観視し、バランスを整える「コラム法」の基礎
- アイデンドで実施しているスキルトレーニングの内容
結論:思考は「事実」ではなく「ただの解釈」。適切な距離を置く練習をしよう
- 「認知の歪み」は誰にでもある: 性格のせいではなく、脳の情報の受け取り方のクセです。
- 言語化して客観視する: 頭の中だけで考えず、紙やPCに書き出すことが「就労準備」の第一歩です。
- バランスの取れた視点を持つ: 「100点か0点か」ではなく、その間にあるプロセスを評価する力を養います。
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目次
1. 職業準備性を高める「思考のトレーニング」とは?

「働くために必要な力」というと、PCスキルや作業スピードを想像しがちですが、実は最も重要なのは「メンタルの自己管理(セルフマネジメント)」です。
なぜ「認知(考え方)」が重要なのか?
職場でのストレスの多くは、出来事そのものではなく、「その出来事をどう捉えたか(認知)」によって生じます。
- 出来事: 上司に作業の修正を依頼された。
- 歪んだ認知: 「自分は無能だと思われた」「もう終わりだ」 → 結果: 激しい落ち込み、作業の中断。
- 適応的な認知: 「より良い成果にするためのアドバイスだ」 → 結果: 意欲の維持、スキルの向上。
アイデンドでは、この「捉え方の転換」を、日々の作業やグループワークを通じて練習しています。
2. 仕事の邪魔をする「代表的な思考のクセ」

① 白黒思考(全か無か思考)
「完璧でなければ失敗だ」という考え方。
- 仕事への影響: 些細なミスで自暴自棄になり、通所を辞めてしまう原因になります。
② 過度の一般化
一度の失敗を「いつもそうだ」「自分は何をやってもダメだ」と広げてしまう。
- 仕事への影響: 新しい作業に挑戦する意欲を奪い、成長を止めてしまいます。
③ 読心術(心の読みすぎ)
根拠なく「相手は自分のことを悪く思っている」と決めつける。
- 仕事への影響: 報告・連絡・相談(報連相)が怖くなり、ミスが隠れてしまうリスクを高めます。
3. 具体的な事例・ケーススタディ
事例:Jさんの場合(40代 女性)
- 悩み: 「一度ミスをしたら次はもう採用されない」といった白黒思考が強く、求職活動を始める勇気が出ずにいました。
- 変化: アイデンドのCBTプログラムに参加. 「最悪の事態」以外にも多くの可能性(代替案)があることに気づき、思考を柔軟にする練習を続けました. 結果、不採用も一つのステップと捉えられるようになり、現在は希望の職種で就業されています。
4. あなたは当てはまる?セルフチェックリスト
読者が自分事として捉えられるよう、簡単なチェックリストを設けます。
- [ ] 「一度の失敗で全て台無しだ」と考えやすい
- [ ] 相手のちょっとした表情で「嫌われた」と思い込んでしまう
- [ ] 「〜すべき」「〜しなければならない」という考えに縛られていて苦しい
- [ ] 根拠がないのに、悪い結果が起きることを確信してしまう
ひとつでも当てはまる方は、ぜひ一度ご相談ください。
5. アイデンドでの「就労準備」プログラム
アイデンドは、ただ作業をするだけの場所ではありません。
現場では、「また悪い方に考えてしまった」と落ち込む日もあります。アイデンドでは、その落ち込み自体を失敗とみなさず、「どこで考えが一気に重くなったか」を一緒に振り返り、次の場面で使える言い換えを増やしていきます。
- SST(ソーシャルスキルトレーニング): 対人場面での適切な考え方と振る舞いを学びます。
- 振り返り面談: 一日の作業の終わりに、「今日はどんな気持ちで働けたか」を支援員と共有し、思考の歪みを整えます。
- 個別支援計画への反映: あなたの「思考のクセ」に合わせた、無理のない目標ステップを設定します。
スタッフからのワンポイントアドバイス
>
> スタッフより
> 思考のクセを変えるのは、筋トレと同じで少しずつ練習が必要です。アイデンドは「間違えてもいい、落ち込んでもいい場所」です。あなたの心のメガネを一歩ずつ一緒に綺麗にしていきましょう。
まとめ
認知行動療法(CBT)の視点を取り入れることは、最高の「就労準備」です。
- 自分の考え方のクセを知る。
- 事実と解釈を分けて考える習慣をつける。
- 他者の視点を取り入れ、柔軟な働き方を手に入れる。
アイデンドは、八戸・十和田地区を中心に、一人ひとりの「自分らしさ」を大切にする就労継続支援B型事業所を展開しています。また、クリエイティブな活動を支援する「manaby CREATORS」ブランドを通じて、Web制作やデザインなど、従来の枠にとらわれない新しい働き方の選択肢も提供しています。地域の皆さまと共に、一歩ずつ未来へ歩んでいける場所でありたいと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. 認知行動療法は難しそうなイメージがありますが、私にもできますか?
難しい理論ではなく、日常生活や仕事の「ちょっとした考え方」を振り返るワークが中心です. スタッフが優しくサポートしますので、ご安心ください.
Q. 思考のクセを変えるには、どれくらいの期間が必要ですか?
個人差がありますが、数ヶ月コツコツ取り組むことで、「少し心が軽くなった」と実感される方が多いです. 焦らず自分のペースで進めましょう。