はじめに
「見た目は元気そうに見えるから、サボっていると思われないか不安」
「重いものが持てない、人より疲れやすいことをどう伝えればいいのか」
心臓や腎臓などに疾患がある「内部障害」の方にとって、最も辛いのは、痛みや苦しさそのものよりも、「その苦しさが他人に見えないこと」かもしれません。
「いいよね、楽そうで」という無神経な一言に、傷ついた経験はありませんか?
あなたは楽をしているのではありません。見えない場所で、病気と闘いながら必死に働こうとしているのです。
この記事では、見えない障害を「見える化」し、職場の理解を勝ち取るための交渉術をお伝えします。
実際の相談では、「無理をして普通に見せていたら、ある日まとめて動けなくなった」という声が少なくありません。大切なのは、頑張り切ることではなく、崩れる前に自分の限界値を共有しておくことです。
- この記事でわかること:
- 自分の「体力電池」の持ちを把握する方法
- 「サボり」と誤解されないための伝え方テンプレート
- 命を守るための「合理的配慮」の頼み方
結論:自分の「限界値」を正しく伝え、無理のないペース配分を確立しよう
- 自己管理: 服薬・食事・睡眠。「疲れる前に休む」が鉄則。
- 可視化: ヘルプマークや診断書を使い、見えない障害を「見える化」する。
- 具体的配慮: 「疲れたら休みます」ではなく、「2時間に1回、5分座ります」とルール化する。
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目次
1. 「易疲労性(疲れやすさ)」という見えない敵
内部障害の最大の敵は「疲れ」です。しかし、この疲れは健常者の「あー疲れた」とは質が根本的に違います。

あなたが感じている疲れは、「怠け」でも「気持ちの問題」でもありません。臓器が懸命に働いている証拠であり、体からの大切なサインなのです。
あなたの「体力電池」は劣化している
健常者が100%まで充電できるスマホだとしたら、あなたは「最大容量が60%しかないスマホ」かもしれません。
同じアプリ(仕事)を起動しても、消費するエネルギーが違うのです。
-
対策①:残量管理
「電池が切れてから休む」のでは遅すぎます。「30%を切ったら強制充電(休憩)」というルールを自分に課しましょう。「まだいける」と思った時点で、すでに消耗していることが多いです。 -
対策②:省電力モード
全力疾走は禁物です。常に「6〜7割の力」で作業し、エネルギーを温存します。「頑張りすぎない」ことが、長く働くためのプロの技術です。 -
対策③:こまめな小休憩
1〜2時間ごとに5分間、席を立って深呼吸したり、水分を取ったりしましょう。「まとめて休む」より「こまめに休む」方が、トータルでの疲労蓄積を防げます。
重いもの・感染症リスク(疾患別の注意点)
内部障害といっても、疾患によって気をつけるポイントは異なります。
-
心臓機能障害:
重い荷物を持つことは心臓に大きな負担をかけます。面接時に「5kg以上のものは持てません」とはっきり伝えましょう。階段の昇降が辛い場合は、エレベーター付きの職場を選ぶことも大切です。 -
腎臓機能障害(透析中の方):
透析の日程に合わせた勤務シフトの調整が必須です。「週3回、午後から透析があります」と事前に伝え、理解のある職場を選びましょう。透析後は特に疲れやすいので、翌日の業務量も調整が必要です。 -
呼吸器機能障害:
息切れしやすい方は、動き回る仕事よりデスクワークが向いています。空気の悪い環境(工場など)は避け、空調の整ったオフィスを選びましょう。 -
免疫機能障害(免疫抑制剤を服用中の方):
風邪やインフルエンザが命取りになることもあります。「人混み(通勤ラッシュ)を避けるための時差出勤」や「マスク着用」は、わがままではなく命を守る措置です。
2. 職場での合理的配慮を求める「交渉術」

「配慮してください」と言うのは勇気がいりますが、言い方ひとつで相手の納得感は変わります。
数値と根拠で伝える(交渉テンプレート)
> NG例: 「体が弱いので、あまり無理させないでください」
> OK例: 「主治医から『長時間の立位は心臓に負担がかかる』と指示されています。可能であれば『1時間に5分程度の着座』を許可いただけますか?」
- ポイント:
- 「私」ではなく「主治医」を主語にする: 「医者がダメと言っている」という事実は強力です。
- 代替案を出す: 「重い物は持てませんが、その分、入力作業や電話応対で人一倍貢献します」。
ヘルプマークの活用
言葉で伝えにくい時は、カバンにヘルプマークをつけておくだけでも、「配慮が必要な人」というサインになります。
社内でも、デスクに見えるように置いておくのがおすすめです。
3. 具体的な事例・ケーススタディ
事例:Cさんの場合(50代 男性)
- 悩み: 人工透析を受けており、週数回の通院と体力の低下により、フルタイム勤務が困難になっていました。
- 変化: 通院日を考慮したショートタイムの通所からスタート。無理のないペースでリズムを整えたことで、主治医と相談しながら体調管理と仕事を両立させるコツを掴み、現在は週3回の短時間就労を継続されています。
4. あなたは当てはまる?セルフチェックリスト
読者が自分事として捉えられるよう、簡単なチェックリストを設けます。
- [ ] 外見からは分からない「疲れやすさ」を理解してもらえず辛い
- [ ] 定期的な通院が必要で、以前の職場ではシフトの調整が難しかった
- [ ] 重いものを持ったり、長時間の立ち仕事が身体的に厳しい
- [ ] 食事制限や服薬管理を職場でどう説明していいか分からない
ひとつでも当てはまる方は、ぜひ一度ご相談ください。
5. アイデンドでのサポート
アイデンドでは、内部障害のある方が体調を第一に考えながら、自立に向けた準備ができるよう個別に対応しています。
相談では、「頑張れた日」を基準に予定を組んでしまい、翌週に反動が出るケースをよく見ます。アイデンドでは、調子の良い日ではなく、波がある中でも続けられる基準でスケジュールを整えていきます。
- 体調管理表の活用: 日々の体温、血圧、疲労感を記録し、自分の「体力の波」を可視化します。
- セルフケア・トレーニング: 疲れる前の休憩の取り方や、ストレスへの対処法をスタッフと一緒に練習します。
スタッフからのワンポイントアドバイス
> スタッフより
> 「まだ大丈夫」は「もう限界」のサインかもしれません。早めに「休みます」と言うことは、会社に迷惑をかけることではなく、長く働き続けるための「責任ある行動」です。堂々と休める環境を、一緒に作っていきましょう。
まとめ
内部障害と共に働くことは、「無理をしないこと」が何よりの成功法則です。
- 自分の「できること」と「制限事項」を明確にする。
- 職場に「外見では分からない不便さ」を具体的に伝える。
- ITツールやヘルプマークなどのサポートを活用する。
自分を守ることは、長く働き続け、会社に貢献するための「大切な仕事」の一部です。一人で無理せず、周囲を巻き込んで自分に合った環境を整えていきましょう。
アイデンドは、八戸・十和田地区を中心に、一人ひとりの「自分らしさ」を大切にする就労継続支援B型事業所を展開しています。また、クリエイティブな活動を支援する「manaby CREATORS」ブランドを通じて、Web制作やデザインなど、従来の枠にとらわれない新しい働き方の選択肢も提供しています。地域の皆さまと共に、一歩ずつ未来へ歩んでいける場所でありたいと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. 週に数回、透析などの通院がありますが利用できますか?
はい。内部障害のある方の多くは通院と両立されています。通院スケジュールに合わせた利用計画を一緒に作成しましょう。
Q. 疲れやすいので、休憩をこまめに取ることは可能ですか?
もちろんです。アイデンドでは、その日の体調に合わせて休憩のタイミングや頻度を柔軟に調整することができます。