てんかん 仕事

てんかん発作への理解と仕事|職場で安心して働くための備えと周囲への伝え方

てんかん発作への理解と仕事|職場で安心して働くための備えと周囲への伝え方 要約図解

はじめに

てんかんのある方の就労では、「発作が起きたら周囲に迷惑をかけるのでは」という不安が大きくなりやすいです。実際の現場でも、この怖さから働くこと自体を諦めそうになる方がいますが、備え方を共有できるだけで安心感はかなり変わります。

「仕事中に倒れたら、迷惑をかけてしまう…」
「てんかんと言った瞬間に、面接官の表情が曇ったらどうしよう」

てんかんのある方にとって、就職は「病気を隠すか、伝えるか」という大きな賭けのように感じるかもしれません。
しかし、てんかんは「正しく扱いさえすれば、怖くない病気」です。
実際、適切な配慮のもとで、多くの人があなたの隣で普通に働いています。

大切なのは、「絶対に発作を起こさないこと」ではなく、「もし起きても大丈夫な仕組みを作っておくこと」です。

この記事では、あなたが安心して働くための「安全装置(セーフティネット)」の作り方をお伝えします。

  • この記事でわかること:
  • 自分の発作タイプ別・職場でのリスク管理術
  • 面接で不利にならない「ポジティブなカミングアウト」
  • 同僚に渡す「発作対応マニュアル」の作り方

結論:「備え」があれば、発作はただの「生理現象」になる

  1. マニュアル化: 「倒れたらこうして」と具体的に伝えるだけで、周囲の恐怖心は消える。
  2. 自己管理: 服薬・睡眠・疲労管理。これらは「重要な業務」の一部と心得る。
  3. 環境調整: 危険が伴う業務(高所・運転)は避け、安全な配置を勝ち取る。

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目次

1. 職場での「発作」リスクを棚卸しする

職場での「発作」リスクを棚卸しする

「もし職場で倒れたら…」という不安は、よく分かります。でも、漠然と怖がるより、具体的に「何が危険で、何が大丈夫か」を整理することで、その不安は驚くほど小さくなります。

① 自分の発作タイプを正確に理解する

主治医と一緒に、あなたの発作の特徴を「仕事に影響する言葉」に翻訳しましょう。

発作タイプ 症状の特徴 職場での影響 対策の例
強直間代発作(大発作) 意識消失、全身のけいれん 転倒リスクあり 高所・機械操作を避ける、周囲への事前共有
欠神発作 数秒〜十数秒の意識途絶 会話や作業が一時停止 「ぼーっとすることがある」と伝える
複雑部分発作 意識はあるが行動がおかしくなる 徘徊、反復動作 発作時は触らず見守るよう依頼
単純部分発作 意識あり、体の一部がピクつく 業務への影響は軽微 必要に応じて休憩

前兆(アウラ)がある方へ
「胃がムカムカする」「変な臭いがする」「視界がチカチカする」といった前兆がある方は、それを「黄色信号」として活用できます。前兆を感じたら、すぐに安全な場所(床に座る、壁にもたれる)へ移動するルールを作っておきましょう。

② 作業環境の「地雷」を事前に取り除く

てんかんの発作には、「トリガー(引き金)」があります。これを避ける環境調整は、「わがまま」ではなく「業務を安定させるための合理的配慮」です。

  • 光刺激(光過敏性てんかんの方): 蛍光灯のちらつきやPCモニターの光が引き金になる場合があります。モニターの輝度を下げる、ブルーライトカットメガネを使う、窓際を避けるなどの対策を相談しましょう。
  • 睡眠不足: これは最も強力なトリガーです。夜勤やシフト勤務は極力避け、規則正しい睡眠時間を確保できる日勤を選びましょう。「睡眠が6時間を切ると発作リスクが上がる」など、自分のラインを把握しておくことが大切です。
  • 過労・ストレス: 繁忙期の残業ラッシュは危険信号。「残業は週○時間まで」という上限を事前に設定しておくと安心です。
  • 飲酒: アルコールは発作の閾値を下げます。付き合いの場では「薬の関係で飲めません」と伝えれば角が立ちません。

2. 面接での「カミングアウト」

ここで大事なのは、病名を伝えることそのものより、「どんな備えがあれば安全に働けるか」を具体的に示すことです。現場では、抽象的な不安よりも、対応方法が見える方が周囲も安心しやすくなります。

面接での「カミングアウト」戦略
戦略

隠して入社し、後で発作が起きてトラブルになるケースは少なくありません。
でも、「てんかんです」と伝えた瞬間に不採用になるのでは…という恐怖も、痛いほど分かります。

ここで大切なのは、「隠す」か「伝える」かの二択ではなく、「どう伝えるか」です。
病気の説明ではなく、「管理できている事実」と「必要な配慮」を具体的に伝えることで、採用担当者の不安を安心に変えることができます。

安心させる伝え方テンプレート

> 「てんかんという持病がありますが、現在は服薬によりコントロールしており、過去〇年間、勤務中に発作が起きたことはありません」
> 「万が一、発作が起きた場合も、通常は数分で意識が戻ります。横にしていただくだけで大丈夫です。その後、15分ほど休憩をいただければ業務に復帰できます」

伝え方のポイント

  • 数字で語る: 「〇年間発作なし」「発作は〇分程度」など、具体的な数字は安心材料になります。
  • 復帰の見込みを伝える: 「完全に治る」とは言えなくても、「業務に戻れる」ことを明確に伝えましょう。
  • 主治医のお墨付きを添える: 「主治医からも就労は問題ないと言われています」という一言は、企業にとって大きな安心材料です。

障害者雇用枠の活用も選択肢

精神障害者保健福祉手帳を取得している場合、障害者雇用枠での応募も可能です。
一般枠より配慮を求めやすく、ジョブコーチなどの支援も受けやすくなります。
「手帳を取ること=負け」ではありません。使える制度はすべて味方につけましょう。


3. 「救急車を呼ばないで」同僚へのマニュアル共有

同僚が一番怖いのは「目の前で倒れられた時、何をすればいいか分からないこと」です。
具体的な指示書(マニュアル)を渡すことで、彼らは「助けてくれる仲間」に変わります。

緊急時対応マニュアル(例)

  1. 慌てない: 「あ、いつもの発作だな」と思って、時計を見てください。
  2. 安全確保: 頭をぶつけないように、周囲の物をどけてください。
  3. 呼びかけない: 大声で呼んだり、体を揺すったりしないでください(逆効果です)。
  4. 救急要請ライン:
    • 発作が5分以上続く時
    • 頭を強く打って出血している時
    • それ以外は呼ばなくてOKです

これをカードにして上司や隣の席の人に渡しておきましょう。


4. アイデンドでのサポート

アイデンドでは、発作の有無だけではなく、疲れやすい条件や安心して過ごせる環境も含めて確認しています。もしもの対応を事前に共有し、本人も周囲も慌てずに動ける状態を作ることを大切にしています。

アイデンドでは、てんかんのある方が安心して通所し、就職に向けて準備できる環境を整えています。

  • 緊急対応マニュアルの作成サポート: あなたに合わせた「発作対応カード」の作成をお手伝いします。
  • 体調管理の振り返り: 睡眠や服薬の記録をスタッフと一緒に確認し、安定したリズムを作ります。

スタッフからのワンポイントアドバイス

> スタッフより
> 職場の人たちは「どう助ければいいか分からない」から不安なのです。あなたが「こうしてほしい」と具体的に伝えることで、お互いの不安は解消されます。その「安心の設計図」を、私たちと一緒に描いていきましょう。


まとめ

てんかんは、「正しく恐れ、正しく備える」ことで、社会生活に大きな支障をきたさずに活動できる障害です。

  1. 服薬管理と睡眠を最優先にする。
  2. 自分の発作パターンを理解し、職場に伝える。
  3. 緊急時の対応をマニュアル化して共有する。

一一一

アイデンドは、八戸・十和田地区を中心に、一人ひとりの「自分らしさ」を大切にする就労継続支援B型事業所を展開しています。また、クリエイティブな活動を支援する「manaby CREATORS」ブランドを通じて、Web制作やデザインなど、従来の枠にとらわれない新しい働き方の選択肢も提供しています。地域の皆さまと共に、一歩ずつ未来へ歩んでいける場所でありたいと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q. 仕事中に発作が起きた場合、必ず救急車を呼んでもらう必要がありますか?

いいえ、その必要はありません。多くの場合、数分で発作は収まり、意識も戻ります。事前に「5分以上続く場合や怪我をした場合のみ呼んでほしい」と職場に伝えておくことが重要です。

Q. てんかんがあっても一般枠で働けますか?

可能です。ただし、業務内容(運転や高所作業など)によっては事故のリスクがあるため、安全面を考慮して配置を相談するか、合理的配慮を受けやすい障害者雇用枠を検討することをお勧めします。

通い方や作業内容についてもう少し知りたい方は、アイデンドの事業所へお問い合わせください。利用を決めていない段階でもご相談いただけます。

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